上州まったり紀行

Tigerdream が群馬県内の神社仏閣、遺跡・史跡・古墳、資料館などを紹介するブログ

カテゴリ: 沼田市・利根郡


利根郡みなかみ町相俣の相俣ダム。
利根川水系赤谷川に建設されたダム。高さ64mの重力式コンクリートダム。昭和34年(1959年)に完成している。

実は昭和31年(1956年)に完成したのだが、ダム左岸部の岩盤から漏水している事が判明し、修理に3年かかったのだ。

相俣ダム (2)
相俣ダム (1)
日中はダム上部まで入れるようになっていて、上から覗いたら「高っけぇ~!」。はっきり言って怖かった(ちょうど放流中だった)。

相俣ダム情報館 (1)
相俣ダム情報館 (2)
近くには相俣ダム情報館があり、各種資料が展示されている。建設当時のDVDを視ることもできる。

相俣ダム情報館 (3)
流木アートコンテストというのをやったみたいで、流木で作った作品が展示されていた。

みんな流木の形状を活かし、素晴らしい作品になっていた。


利根郡みなかみ町相俣の赤谷湖記念公園。
赤谷川をせき止めた相俣ダムによりできたダム湖。その湖畔にある公園。

赤谷湖
赤谷湖 (2)
上の写真で赤谷湖の対岸に見えているのは猿ヶ京温泉街のホテル群。

樹齢約40年のソメイヨシノが100本余りが植えられており、遠くの谷川連峰の残雪とともに桜の花が湖面に映えてすばらしい眺めになる。見頃は4月中旬~5月上旬。

謙信のさかさ桜 (3)
謙信のさかさ桜 (2)
謙信のさかさ桜 (1)
ここには上杉謙信ゆかりの「さかさ桜」がある。

上杉謙信が初めて関東に兵を出したとき、春日山から持ってきた桜の杖を逆さにして出陣の吉兆を占うと、不思議なことに芽吹いたと伝えられている。幹の直径2.5m、樹高20mの巨木で、推定樹齢は400年。

赤谷湖あたりには、かつて笹の湯、湯島温泉などがあったがダム建設により湖底に沈み、湖岸に猿ケ京温泉が造られた。

三国国境の山並みを映す静かな湖である。赤谷湖はダム湖100選に選ばれている。


利根郡みなかみ町(旧新治村)東峰の旧大庄屋役宅書院。

旧大庄屋役宅書院 (2)

旧大庄屋役宅書院 (5)
旧大庄屋役宅書院 (1)
天保13年(1842年)、4代目河合定右衛門が大庄屋の時代に当時の領主・伊丹氏(旗本)が領内巡視の休息所とするため建てたもの。萱葺(現在トタン葺)の寄棟造書院で、式台が付属する玄関が主屋と連結している。

旧大庄屋役宅書院 (4)
書院の内部は8畳敷きの上段の間と10畳敷きの控えの間を中心とし、特に上段の間は床の間、傍床、付け書院、帳台構えを備えた本格的な書院造りである。農家の書院というのは大変珍しく、県指定の重要文化財となっている。

ちなみに、この大庄屋役というのは江戸時代の地方行政を担当した村役人のひとつで、代官または郡奉行の下で数村から数10村を管轄した。

身分としては農民であるが一般農民よりは一段高い階層に属し、その屋敷に門を構えたり主屋に式台を設けることができた。帯刀を許されたり着衣や履物にも特例が許されていた(絹物や雪駄の着用)という。


利根郡みなかみ町(旧新治村)須川の泉峰山泰寧寺。

泰寧寺 (1)
泰寧寺 (2)
延慶2年(1309年)、真改の開山と伝えられている。

泰寧寺 (6)
寛永10年(1633年)現在地に移り、境内が整備され現在の形となった。本堂は寛政7年(1795年)に再建されたもの。

泰寧寺 (3)
泰寧寺 (4)
山門は安永4年(1775年)に建立されたもので、2層の楼門形式、入母屋造り。

泰寧寺 (9)
泰寧寺 (5)
山門の天井は6間に区切られた鏡天井で、その6面に絵画が描かれている。中央2面には、龍と鳳凰。龍は目が大きく、ちょっと愛嬌がある。

泰寧寺 (7)
泰寧寺 (8)
中央の龍と鳳凰を挟んで、両側に天女が描かれている。

この山門は立派である。造りも素晴らしいが、天井絵も素晴らしい。龍と鳳凰を天女が囲んでいる構成は、何か仏教的な意味合いがあるのだろうか?


利根郡みなかみ町月夜野の大峰山長慶院嶽林寺。
上越新幹線・上毛高原駅のすぐ裏の高台にある。

嶽林寺 (6)
嶽林寺 (1)
永正2年(1505年)双林寺7世在天禅師の開山、小川城2代・小川次郎景裕の開基により創建された。

嶽林寺 (2)
嶽林寺 (3)
何度か火災にあっているようだが、本堂は安永3年(1774年)の建築で、当時の寺院建築の技術を今日に伝えている。

嶽林寺 (4)
嶽林寺 (5)
最近様々な改修を行っているようで、まだ新しいと思われる物もたくさんあった。特に小さいながらも庭園と、石を多く使った滝などは最たるもの。仏像や法輪塔も・・・。

ここは、上毛かるたの「天下の義人 茂左衛門」として有名な、茂左衛門の菩提寺でもある。茂左衛門 と妻・くに2人の位牌が祀られている。


利根郡みなかみ町湯原の旧戸部家住宅。
前回の水上歴史民俗資料館の敷地内にある。
(「みなかみ町湯原・水上歴史民俗資料館」参照)

旧戸部家住宅 (1)
旧戸部家住宅 (7)
旧戸部家住宅 (2)
建築年代を示す古文書は残っていないが、構造・手法等から18世紀前半に建てられたものと考えられている。木造平屋建て、寄棟、萱葺、直屋形式、桁行き10間、梁間4間の建物。

屋根の棟には草花を植えるなど、当時の県内北部の寒冷地に見られる形式である。手入れが行き届いてなく、屋根に雑草が生えている訳ではない。

旧戸部家住宅 (6)
旧戸部家住宅 (5)
旧戸部家住宅 (4)
内部は向って右半分が土間空間で、左手が居住空間になっている。居住空間には客室や床の間。土間のほうには小さい風呂場が。

旧戸部家住宅 (3)
棟持柱が屋根まで達していることや梁等の横材は曲がりくねった細いものであること等、江戸時代初期の特徴を示している。

昭和45年(1970年)国の重要文化財に指定されたことから、旧水上町が買い上げ昭和49年(1974年)に現在の場所へ移築している。でも、もともと戸部家は川場村の農家なのに、文化財保存のため買い取るなんて旧水上町はたいしたもんだ。

まあ、いろいろ経緯はあるんだろうけどね。


利根郡みなかみ町湯原の水上歴史民俗資料館。

水上歴史民俗資料館 (6)
江戸時代末から昭和初期にかけての、群馬北部の農具や民具、祭事の道具、古文書など約2000点を収蔵。また地元出土の土器の展示も。

水上歴史民俗資料館 (1)
入ってすぐに、クマやシカ、キツネのはく製が。群馬県北部って感じ。

水上歴史民俗資料館 (5)
古いそりが展示されているのを見て、改めてここは雪国!

水上歴史民俗資料館 (3)
水上歴史民俗資料館 (4)
民俗系の展示、まあ昔のってだけかな。これは!っては、ないようだ。

水上歴史民俗資料館 (2)
北部は意外と縄文関係の遺跡が多いのだが、土器関係の展示は少なかった。

このての資料館の特徴である、地域密着の実践展示ってところ。


利根郡みなかみ町小日向、他の諏訪峡遊歩道中にある与謝野晶子歌碑公園。

与謝野晶子歌碑公園 (1)
与謝野晶子歌碑公園 (2)
与謝野晶子の温泉への足跡は全国に残っているが、水上温泉には昭和6年(1931年)から昭和14年(1939年)までに計4回ほど訪れている。そんなことからか、平成21年(2009年)に諏訪峡に歌碑公園が作られた。

与謝野晶子歌碑公園 (3)
与謝野晶子歌碑公園 (4)
与謝野晶子歌碑公園 (5)
夫・与謝野鉄幹(寛)の歌碑も含めて計9つの歌碑がある。

東屋とベンチがあるくらいだけど、天気が良い日にのんびり利根川でもながめていれば、心地いいかも。

そう言えば猿ヶ京温泉にも、与謝野晶子記念館みたいなのがある。伊香保温泉の石段には、歌(詩?)が刻まれていた(「伊香保温泉 日本の名湯」参照)。

調べてみたら、水上温泉以外にも法師、猿ヶ京、湯宿、湯檜曽、伊香保、草津、川原湯、四万、霧積の各温泉を訪れているようだ。温泉好きだったということ?


利根郡みなかみ町湯原、小日向、高日向にまたがる諏訪峡。
水上を代表する奇岩、怪石が連続する利根川の峡谷。吊り橋の笹笛橋、坊岩や玉簾の滝、紅葉公園などが見どころ。遊歩道も整備されている。

諏訪峡 (1)
諏訪峡 (2)
遊歩道を歩いてみたんだけど、あまり峡谷っぽくなかった。2日続けての雨のあとで、しかも上流のダムが放流していたので水量が多かった。利根川の激流を撮るには、もってこいだったが。

諏訪峡 (3)
諏訪峡 (4)
結局、往復1kmくらい歩いたと思うが、あまり感激もなく戻る。

諏訪峡大橋
途中にあった諏訪峡大橋にはバンジージャンプ用と思われるステップが見えた。これは高い。30~40mくらいありそう。

自分はやりたくないけど、1度飛んでる景色を見てみたい。


利根郡みなかみ町湯原の道の駅「水紀行館」。

水紀行館 (1)
まあ、よそと一緒で土産物屋さん、レストランと情報コーナーとか。ちょっと特別なのが、中に水産学習館という淡水魚の水族館がある。ここでは利根川に生息する淡水生物を観察することができる。

水紀行館 (2)
水紀行館 (3)
川の中から魚を見上げるようなトンネル水槽は、このクラスの水族館にしては珍しい。群馬県には水族館自体がほとんどないので貴重。

水紀行館 (4)
特別展示(?)なのか、チョウザメもいた。入場料は特別高くはない。

水紀行館 (5)
隅っこの方にロッククライミング用の壁があった。この日はインストラクターが不在で開店休業中だった。

道の駅もいろいろ特色を出さないいけない時代なので、水族館は貴重だと思う。


利根郡みなかみ町後閑の月夜野びーどろパーク。

月夜野びどろパーク (5)
月夜野びどろパーク (6)
上越クリスタル硝子(株)のガラス工場に、ガラス体験工房、美術館、ショップ等から構成されている。月夜野クラフトビール(株)の地ビール販売所もあった。

月夜野びどろパーク (2)
時間帯によるが、ガラス製品製造工程の見学ができる。ガラスを熱して、飴のように伸ばしたり曲げたり、といったアレ。初めて見た。

月夜野びどろパーク (1)
本格的な吹きガラスから、ステンドガラス、オルゴールなどの小物まで、オリジナルのガラス製品が作れる。

月夜野びどろパーク (3)
月夜野びどろパーク (4)
ガラス製品って綺麗だね。でも値段もそれなり。小さなおちょこがウン千円!うへっ!

置物・インテリア品から実用食器・装飾品・アクセサリーまで、何でもあった。虎の置物があって、目を引かれたんだけど、値札を見て断念。

月夜野びーどろパーク (7)
ガラス工場の一角にある、掘出物市場。見慣れた金額で安心。

知ってのとおり、ビードロとはポルトガル語でガラスのこと。室町時代末に、長崎に渡来したオランダ人が、その製法を伝えてくれた。今では、生活に欠かせないアイテムになってる。オランダに感謝!?


利根郡みなかみ町須川のたくみの里。

みなかみ たくみの里 (7)
道の駅「たくみの里」を中心に、木工や竹細工、そば打ち体験などができる約30軒の「たくみの家」が点在している。それ以外には、食堂や観光農園も多数ある。

みなかみ たくみの里 (2)
みなかみ たくみの里 (4)
みなかみ たくみの里 (6)
宿場通りという通りしか歩かなかったので、全体像はよく分かんなかったけど、いろんな「家」があることは分かった。エリア的にはけっこう広いみたい。レンタルサイクルも用意されていた。

みなかみ たくみの里 (5)
みなかみ たくみの里 (3)
ここは須川宿といって、三国街道の宿場町だったところ。水路があり、水車も回っていた。

みなかみ たくみの里 (1)
みなかみ たくみの里 (8)
須川宿資料館。もともとは、この資料館に行くのが目的だったのだ。

展示品は書画、古文書、武具、調度品など約1000点、旧本陣の上段の間も再現されている。須川宿は、越後長岡藩・牧野家の常宿だったとかで、宿札もあった。

管理人さんに説明してもらったんだけど、非常に丁寧で詳しくて、分かりやすかった。

観光客がいっぱい来ていて、ところ狭しと歩いていた。でもよく見ると、一般の家もけっこうあり、休日は自分の家に出入りするのも、大変そうな雰囲気だった。


利根郡みなかみ町月夜野の梨の木平敷石住居跡。

梨の木平敷石住宅跡 (1)
梨の木平敷石住宅跡 (2)
梨の木平敷石住居跡は昭和51年(1976年)に県道工事に伴う調査で発見された。床に石を敷いた縄文時代中期(約4000年前)の住居跡。

梨の木平敷石住宅跡 (3)
平らな石を12平方mほど6角形に敷き詰めて、中央に河原石で囲った4角形の囲炉裏があり、南側には石を並べた張り出しがある。敷石の隙間には小石が詰められ、左右対称の形をしている。

住居内には5本の主柱穴と2本の支柱穴があり、また埋められた甕も発見されているとか。上から見る格好になるので、構造が分かりやすい。

梨の木平敷石住宅跡 (4)
梨の木平敷石住宅跡 (5)
解説板は写真やイラスト入りで、丁寧に作られていると思う。また、バックライトで光っているので、覆屋内が暗くてもちゃんと読める。

覆屋の中は暗くてちょっと怖い。そんなに頻繁に見学者が来るとは思わないが、ひとりで見ているときにドアが開いたらゾッとするだろうな。


利根郡みなかみ町月夜野の深沢遺跡配石遺構。
深沢はこの配石遺構が発掘された地名。

深沢遺跡配石遺構 (1)
深沢遺跡配石遺構 (4)
深沢遺跡配石遺構 (2)
深沢遺跡は昭和55年(1980年)、上越新幹線開通前の文化財調査で発見された。約1kmほど場所を移し、ここに保存されている。

深沢遺跡配石遺構 (3)
深沢遺跡配石遺構 (5)
今から3500年前の縄文時代後期の墓地跡。東西約20m・南北約17mの範囲に、石棺状配石20基・中型配石4基・大型配石2基・集石状配石28基・列石1基から構成されていたらしい。ここには、これだけの数が見当たらないので、すべてが移された訳ではないようだ。

深沢遺跡配石遺構 (6)
鉄骨屋根とフェンスで覆われており、一応覆屋なのかな?これだと風雨にさらされるので、風化しちゃうんじゃないの。

どうせなら、しっかり覆ってあげればいいのに・・・。


利根郡みなかみ町月夜野の歴史郷土資料館。

月夜野歴史郷土館 (1)
月夜野の歴史・風土を語る「考古資料」「民俗資料」「歴史資料」「美術資料」を中心に、あまり人の目に触れたことのない貴重な品々を展示している、とのことだったが、行った日(土曜)は休館だった。

事前に調べたところでは、土日・祭日のみ開館となっていたのだが・・・・・。入口に開館日が変更になりました、と表示があったので最近変わった??(開館は日曜のみ。)

月夜野歴史郷土館 (2)
月夜野歴史郷土館 (3)
また何かの機会に月夜野まで行くことがあったら。日曜にね。

でも、週1日しか開館しないなんて・・・。相当来館者が少ないってこと?


利根郡みなかみ町月夜野の矢瀬(やぜ)遺跡。

矢瀬遺跡 (7)
利根川によってできた河岸段丘の、一番下の面に位置する縄文時代後期から晩期の村の跡。人工の水場を中心に、祭壇石敷と巨木柱群による祭祀場や墓地が広がり、その外側を取り囲むように配置された、住居群が見つかっている。

矢瀬遺跡 (1)
矢瀬遺跡 (2)
矢瀬遺跡 (3)
水場の跡や茅葺き住居、また高床建物やお墓などが復元され、村の様子が詳しく再現されている。

矢瀬遺跡 (6)
矢瀬遺跡 (4)
矢瀬遺跡 (5)
一部住居跡の「四隅袖付炉」は、覆屋により保存されている。中は薄暗く、ガラス越しに四隅袖付炉のある住居跡を見ることができる。遺跡解説のビデオが用意されており、5分くらいの長さ。

縄文時代とかはあんまり知識がないが、当時の人々の生活の基本となる、祭祀のあり方を理解するうえで、重要な遺跡って感じかな。

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