桐生市梅田町の猿澤山鷹林寺。
鷹林寺は牛久(茨城県)金龍寺・宝山宗珍の隠居寺として開かれた桂林庵が始まりと伝わる。元和元年(1615年)に鷹林寺と改称したという。金龍寺が牛久へ移ったのは由良氏の転封時なので、天正18年(1590年)のこと。
山門は享保17年(1732年)の建立で、親柱頭貫に施主や大工の棟梁などの名が刻まれている。一部は近年の修理により取り替えられているが、礎盤、柱の粽、台輪、詰組といった細部の要素に、当時の禅宗様式を伝えている。
火災により本堂などが焼失したが、火災から焼け残った客殿を本堂としている。客殿の建立は万治元年(1658年)とされる。現在も木枠にガラス戸だ。
縁結び、子授け、安産、子育てに御利益のある観音菩薩を祀る観音堂。北向きなので、北向き観音と称されている。観音菩薩坐像には享保7年(1722年)の銘がある。観音堂は昭和55年(1980年)の建立。毎年9月中旬に安産子宝観音祭が行われる。
観音堂の横にはお産婆さんの石像がある。謂われは分からないが、安産の御利益がありそうだ。