前橋市富士見町石井の不入の蔵骨器。

蔵骨器とは火葬した骨を納めた石製の骨つぼのこと。この蔵骨器は明治時代に近くを開墾したときに出土したもので、当時は五輪塔の一部とされていたが、その後の調査で蔵骨器と判明している。

1基は丸い石を重ねたもので、もう1基は丸形の石に屋根型の石を重ねている。いずれも下部の石に四角い穴が掘られ、上部の石が蓋となっている。奈良時代から平安時代のものと推定されている。
旧富士見村では他に引田、城楽、時沢からも石製蔵骨器が出土しているが、蓋石を欠いている。
群馬県内では桐生市新里町の「武井廃寺塔跡」の蔵骨器が知られる。ここは古代寺院跡として国の史跡に指定されているが、現在では古墳とする説が有力となっている。
(「桐生市新里町武井・武井廃寺塔跡」参照)