みどり市東町草木の富弘美術館。
旧勢多郡東村出身の画家・詩人星野富弘の作品を展示した美術館である。1991年(平成3年)東村立の美術館として、老人福祉施設を改装して開館。建物の老朽化に伴い、2005年(平成17年)に新しい富弘美術館が開館。
星野富弘は1970年(昭和45年)中学校教員時代に頸髄を損傷、手足の自由を失う。病院に入院中、口に筆をくわえて文や絵を書き始める。
透明感あふれる水彩で描かれた草花と素朴で美しい詩の世界から、見る者に「生きることのすばらしさ」「生きる勇気」を与えると評判になり、全国各地で「花の詩画展」開催され随筆が教科書に掲載された。
美術館の後ろには草木湖が広がる。草木湖へつながる散策路も整備されている。
美術館をつくる計画があがった当初、星野は「どうせハコものを作っても、そのうちクモの巣が張ってしまうのでは・・・」とためらっていたという。しかし連日たくさんの来館者でにぎわい、開館96日目で入館者が10万人を超え、2010年(平成22年)には入館者600万人を数えている。
2006年(平成18年)には障害を克服し永年優れた詩画の創作活動を続け、多くの人々に生命の尊さを伝え、深い感動と生きる勇気を与えた功績から群馬県名誉県民の称号を贈られている。