藤岡市本郷の土師神社。10月19日に開催された秋の例祭で流鏑馬が奉納された。

土師神社 流鏑馬 (1)
土師神社はこの地域に居住していた土師氏(埴輪や土師器を製造する人々)が、氏神として野見宿禰を祀ったのが始まりとされる。境内には「土師の辻」と呼ばれる相撲の土俵があり、「日本三辻」のひとつとされる(詳細は「藤岡市本郷・土師神社」参照)。

流鏑馬の奉納は昭和40年前後(1960年代)から途絶えていたが、平成14年(2002年)に花馬、翌15年(2003年)に流鏑馬が復活している。近年はコロナの影響で流鏑馬も中止されていたが、令和5年(2023年)に再開されている。

土師神社 流鏑馬 (2)
土師神社 流鏑馬 (3)
流鏑馬の前には「おねり(御練り)」で秋の収穫に感謝を奉げる。

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流鏑馬を奉納する団体名は聞き漏らしたが、小笠原流と言っていたと思う。

土師神社 流鏑馬 (5)
「願的(がんまとう)」。五色の花笠・白装束に赤い襷・袴・足袋に草履姿の射手が、停止した状態で一本の矢に願いを込めて的を射る。この大役は地元の方のようだ。

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メインの流鏑馬。土師神社の参道は170mで流鏑馬を行うには少し短いようだ。そのため通常3射のところ2射となる。しかしは馬場と観客が近いため非常に迫力があり、スピード感を肌で感じることができる。見事に的を射貫くと観衆から大歓声が起こっていた。

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女性の射手も複数おられた。

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外国の方もいらっしゃった。射手はしていなかったと思う。

射手が馬上で何か声を発していたが、後で調べたら「インヨーイ」と言っていたらしい。これは陰陽道から来ており、小笠原流の礼法・歩射・騎射はすべてが陰陽道を軸に成り立っているそうだ。

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例祭の最後は花馬。写真は「おねり」の時のもの。

土師神社 流鏑馬 (12)
矢が当たり割れた的(墨書あり)。当たり的は縁起が良いとされ人気がある。例祭終了後に販売された。