太田市新田下江田町の矢抜神社。

下江田矢抜神社  (1)
下江田矢抜神社  (2)
矢抜神社の由緒は不詳だが、神亀5年(728年)の創建ともいわれる。下江田村から中江田村が分村する際に、鎮守であった矢抜神社を分社し両村それぞれの鎮守としたという。分社は万治元年(1658年)とされる。(「太田市新田中江田町・矢抜神社」参照)

下江田矢抜神社  (3)
社殿前の灯籠は慶応3年(1867年)の奉納。

下江田矢抜神社  (4)
下江田矢抜神社  (5)
社殿の建立年などは不明だが、内部に延宝6年(1678年)、寛保2年(1742年)、安永2年(1773年)の棟札3枚が残されている。これらは社殿の建立年、改築年などと推定される(年代的に現在の社殿のことではないと思うが)。

下江田矢抜神社  (6)
社殿西側に「地下水紀念碑」がある。昭和8年(1933年)の建碑。地下水揚水場が竣工した記念のようだ。ちなみに、現在は「記念」を使うのが一般的だが、明治・大正のころは「紀念」の方が一般的だった。同じ意味。

下江田矢抜神社  (7)
社殿裏には二ツ塚古墳(木崎町5号古墳)がある。二ツ塚古墳は前方後円墳で、後円部の南側を削って社殿が造られている。元は全長50m程度と推定されているが、既に原形は失われている。明治44年(1911年)の発掘調査では、金環・管玉・鉄器・土器などが出土している。

また一部露出している石材から、榛名山の二ツ岳の噴火時に噴出した角閃安山岩を石室材として使用していることが確認できるいう。

下江田矢抜神社  (8)
下江田矢抜神社  (9)
墳丘上には境内社(石宮)が祀られている。諏訪神社・神明宮・稲荷神社・琴平宮・秋葉神社・菅原神社など。

下江田矢抜神社  (10)
樹齢300~400年と推定される山椿の古木。昔から自生して来た品種で、赤色の一重花弁で花芯が大きく5弁の花びらを持っている。秋になると花実が3片に割れ、2~3個の種子が落果して自然繁殖していく椿の原種だという。