渋川市赤城町上三原田の赤城山天龍寺。
天龍寺は大同元年(806年)吉祥坊臨海の開山と伝わる。当地における最古の寺院とされる。勢多郡138ヶ村の総鎮守であった大洞赤城神社の別当を元和年間(1615~24年)まで務めていた。
慶安3年(1650年)に火災により焼失。古記録や什器なども烏有に帰した。その後、享保12年(1717年)に再興されている。
現在の本堂は平成19年(2007年)の新築建立。本堂には秘仏の阿弥陀如来(木像)を祀るが、これは聖徳太子の御作とされる(本尊は薬師如来)。
境内の毘沙門堂。創建年代、由緒ともに不明。お堂は文政11年(1828年)の建立(棟札が残されている)。
本尊の毘沙門天(木像)は天平17年(745年)行基の御作とされる。毘沙門天像は厨子の中。
境内のお地蔵さん。「愚痴聞き地蔵尊」とある。このお地蔵さんに愚痴をこぼして、すっきりしろってことかな。
墓域の五輪塔。立派な五輪塔が3基並んでいる。造立年などは分からない。
天龍寺には阿弥陀如来像(聖徳太子作)、毘沙門天像(行基作)以外に、やはり聖徳太子の御作とされる不動明王像もある。いずれも江戸初期まで別当をつとめていた大洞赤城神社に安置されていたという。しかし、その縁起などは慶安3年の火災で焼失しており、詳細は不明である。
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