前橋市西大室町の五社稲荷神社。
五社稲荷神社は元は神明宮で、明治41年(1908年)に熊野神社に合祀されている(熊野神社はその際、大室神社と改称している)。その後、大正元年(1912年)に大室神社の境外社として再建され、五社稲荷神社と称している。
(大室神社は「前橋市西大室町・大室神社」参照)
元は神明宮と書いたが、五社稲荷神社のご祭神に天照大神はおられない。境外社として再建された際、穀物の神(倉稲魂命)・養蚕の神(絹笠大神)メインとした稲荷神社にしたと考えられる。
五社稲荷神社が鎮座しているのは伊勢山古墳の墳丘上になる。
伊勢山古墳(五社稲荷古墳、荒砥村122号墳)は全長67mの前方後円墳(前方部幅47m、高さ5m、後円部42m、高さ5.5m)で、6世紀末の築造と推定されている。周囲に幅7mの楯形周濠が認められ、外周施設を含む全長は約80mと大型古墳である。
石室は全長約4.8m、幅約2.1mで、金環や銀環が出土している。南側に石室入口があるとのことだが、探してみたが見つからなかった。
社殿は大正14年(1925年)に二之宮小学校の奉安殿(天皇・皇后両陛下の御写眞保管庫)を移築したもの。
社殿の側面棚には、多くの狐像(置物)が飾られている。これは狐像を1体借り受け、翌年に2体返すという風習があるから。
社殿裏の石宮。安永2年(1773年)の造立。本宮かな。
絹笠大神の石塔。こちらはまだ新しく平成18年(2006年)の造立。
伊勢山古墳墳丘に多くのヤマツツジが植えられている。初夏にはツツジが一面に咲き誇るという。鳥居横に「ツツジの由来」とい記念碑があり、地域住民が大切に育ててきたことや、ここから140株を大室公園に寄贈したことなどが記されている。
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