高崎市冷水町の小祝(おぼり)神社。

小祝神社 (1)
小祝神社の由緒は不詳だが、上野国神名帳記載の「従四位上小祝明神」が当社とされる。

小祝神社 (2)
現在は小祝神と記された宝暦4年(1754年)銘の石宮があるのみである。

「花園星神記」によると、和銅7年(714年)に上野国大掾(律令制下の国司)・藤原忠明が当地に下向した際、夜半に目覚めてあたりを見渡すと光明が立ち上っているのが見えた。不思議に思い調べさせると、冷水町の小祝池からであった。そこで水中を探らせたところ、目が赤く首の白い不思議な亀を見つけた。これを時の天皇に献上したところ天皇は大いに喜ばれ、元号を霊亀に改元したという。

群馬郡誌(大正14年:1925年刊)は、この伝承を元に小祝神社の創建を和銅7年としている。

小祝神社 (3)
石宮前には特に何もなく草が生えているだけだが、ここは元は湧水池で不思議な亀の見つかった小祝池跡だとされる。また、地名の冷水もこの故事の霊水にちなんでいると伝えられている。