高崎市下豊岡町の八幡山月光院常安寺。

常安寺 (1)
常安寺は元亀元年(1570年)禰津政直の創建。政直は出家後、松鷂軒常安と称しており、法名は月光院殿心源常安居士。そのため、月光院常安寺と名付けられたと思われる。

禰津氏は長野県東部を拠点とした滋野三家のひとつで、政直は武田家に従っていたが、滅亡後は徳川家康に仕え、天正18年(1590年)の家康関東入府に伴い豊岡の地を与えられている。(政直は徳川氏臣従後、禰津から根津に改めている)

政直の甥・信政は慶長7年(1602年)に5000石加増され(計1万石)、豊岡藩を立藩している。

常安寺一帯は根津氏(豊岡藩)の陣屋跡である。

常安寺 (2)
常安寺 (3)
常安寺 (4)
明治26年(1893年)の火災により、山門を残して本堂などすべてが焼失してしまったが、大正11年(1922年)に再建されている。現在の本堂は、平成19年(2007年)の新築である。

常安寺 (5)
墓地には政直の墓がある。

豊岡藩は信政の後、政次、信直と続いたが、信直が嗣子なく没したため、寛永3年(1626年)には廃藩となっている。

豊岡藩なんていうのがあったなんて、まったく知らなかった。