前橋市富士見町石井の石井山珊瑚寺。

珊瑚寺 (1)
珊瑚寺は大同2年(807年)勝道上人の開創と伝えられる。当時は石井山三錮寺といった。その後一時荒廃したが、正治年間(1199~1201年)に鎌倉幕府の重鎮・梶原景時の女(むすめ)が尼僧となり、源頼朝や景時と景季ら父子の菩提を弔うため移り住んだ。以来、尼寺として知られるようになった。

永享年間(1429~41年)に白井城主・長尾景仲が諸堂を再建したが、その後は再度荒れ果ててしまった。景仲は子持村(現、渋川市中郷)・雙林寺の開基として知られる。

文明年間(1469~86年)に義貫和尚が天台宗に改宗、寺名も珊瑚寺と改称し現在に至っている。

珊瑚寺 (2)
珊瑚寺 (3)
心字池。宝暦年間(1751~64年)に造堀された池。平成18年(2006年)に改修されている。その際、古図をもとに七福神象を建立した。

珊瑚寺 (4)
池には多くの鯉が泳いでいた。人間が近づくとエサをもらえるとの習性からか、池を覗いただけで鯉が大きな口を開けて寄ってきた。

珊瑚寺 (5)
珊瑚寺 (6)
珊瑚寺 (7)
心字池にかかる朱色の橋を渡ると弁天堂がある。文化11年(1828年)に心字池の中の島に建立。現在のお堂は平成22年(2010年)の再建。

珊瑚寺 (8)
珊瑚寺 (9)
山門は昭和61年(1985年)の建立。仁王像は平成10年(1998年)の造立。

珊瑚寺 (10)
珊瑚寺 (11)
本堂は昭和12年(1937年)に火災により焼失、同26年(1951年)に再建されている。

珊瑚寺 (12)
鐘楼は昭和52年(1977年)の建立。

珊瑚寺 (13)
珊瑚寺開創の勝道上人像。平成7年(2004年)の造立。

珊瑚寺 (14)
お釈迦さまの苦行像。平成10年(2007年)の造立。

お釈迦さまは出家後6年にわたり苦行を行ったが、極端な苦行は不適切であると苦行をやめている(苦行放棄)。手塚治虫の「ブッダ」を読んだことがあるので、この像容のイメージはある。

珊瑚寺 (15)
日本が台湾を統治していた時代の最後の台南市長・羽鳥又男氏の胸像。旧富士見村石井の出身。平成19年(2007年)に台湾より寄贈されている。

珊瑚寺 (16)
墓地の六地蔵は平成2年(1990年)の造立。

ちょっと長くなりそうなので、珊瑚寺の諸堂(地蔵堂や千仏堂など)や石造物などについては別記事で紹介する。と言うことで、つづく。