前橋市田口町の塩原塚古墳。

塩原塚古墳 (1)
塩原塚古墳 (2)
塩原塚古墳は墳丘高さ3m、径14mの円墳である。周囲は川原石で1.3mの高さまで葺かれている。7世紀初頭の築造と推定される。

塩原塚古墳 (3)
塩原塚古墳 (4)
石室長は5.9m。角閃石安山岩の削石を五目積にしてあり、奥壁の一部に截石切組積が見られる。副葬品は直刀2本、小刀1本、耳環16個、馬具など101点が確認されている。骨や歯の出土状況から埋葬人数は7~8体と推定されるが、副葬品は最初の埋葬者のものと考えられている。

塩原塚古墳 (5)
塩原塚古墳は昭和10年(1935年)の群馬県下一斉古墳調査から漏れたため、上毛古墳綜覧(昭和13年:1938年刊)に記載がない。そのため「名もなき小円墳」とされてきた。

しかし昭和29年(1954年)に群馬大の発掘調査で、上記のような石室が確認され多数の副葬品が出土したことから、土地所有者の名前をとり塩原塚古墳と名付けられた。そして昭和58年(1983年)には前橋市の史跡に指定されている。