前橋市田口町の阿弥陀如来石。
阿弥陀如来石は上部に穴のある平らな石で、この石が阿弥陀如来さまとして地域住民に信仰されている。特に足(脚)の病気を治してくれるとされ、古くは遠方からお参りに来る人もいたという。
表面を見る限り、特に阿弥陀如来像が彫刻や線刻されているわけではないようだ。
この阿弥陀如来さまには、次のような伝説(逸話)が残っている。法華沢(現、田口町内)に表面を土盛りした石橋があった。いつからか、この橋を渡る人に足の病気が多くみられるようになった。また荷馬もこの橋の前で止まってしまうようになった。
そこで神託を聞くと、土橋の下に一枚の石が土台になっているが、この石は以前阿弥陀如来として信仰された石碑であるという。この石を掘り出して祀れば、病気の人も全快し通行にも支障がなくなるとのことだった。
そこで村人たちはすぐに石を掘り出し現在地に祀った。すると人々の病気も治り、荷馬が止まってしまうこともなくなったという。
なお、上部の穴は石を運ぶ際に、紐などを通したのではないかと考えられている。
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