佐波郡玉村町樋越の日吉山花台寺。

花台寺 (1)
花台寺は元亀元年(1570年)阿佐美氏(阿佐見とも)が世良田・総持寺から宥清法印を開山に招き創建したとされる。

阿佐美氏は藤姓足利氏を自称していたが、児玉党を構成する一族。阿佐美氏の祖・庄弘方(しょう ひろかた)の家系は藤原北家流・藤原伊周の家司だった有道惟能とされる。藤原秀郷が藤原北家魚名流とされるので、藤原北家からみで藤姓足利氏の一族と自称したのだろう(本姓として藤原姓を名乗っていたようだ)。

花台寺 (2)
六地蔵は平成9年(1997年)の造立。

花台寺 (3)
水かけ地蔵。地蔵像自体は新しい。水かけ地蔵の由緒は分からない。

花台寺 (4)
花台寺 (5)
本堂は近年の新規建立と思われる。

花台寺 (6)
旧本堂に乗っていた瓦だと思う。家紋が二つ引(引両紋)だが、これは源氏の足利氏のでは?

花台寺 (7)
五智如来石仏。元禄2年(1689年)の造立。中央の大日如来が胎蔵界の仏で、他の四仏は金剛界という不思議な組み合わせとなっている。五仏揃っているのは非常に貴重なものである。一体の背面には「阿佐美氏重長」の銘があり、施主と推定される。

花台寺 (8)
聖観音坐像。正徳6年(1716年)の造立。

花台寺 (9)
宝篋印塔や庚申塔など。宝篋印塔は安永5年(1776年)、庚申塔は元文年間(1736~41年)、明和年間(1764~72年)の造立。

花台寺 (10)
小坊主さんの石像。「私はしあわせ」ってお顔をしている。

花台寺は阿佐美氏の館跡とされるが、遺構は残っていないようだ。ちなみに、阿佐美氏の祖・庄弘方は源頼朝と木曽義仲との「宇治川の合戦」(永寿3年/1184年)で、先陣争いを行った佐々木高綱や梶原景季に続き川を渡ったと「源平盛衰記」に書かれているほどの武人とされる。