吾妻郡高山村中山の万葉歌碑。

高山村・万葉歌碑 (1)
万葉歌碑は昭和9年(1934年)に陸軍特別大演習が群馬県で行われた際、聖駕奉迎記念として村民の奉仕作業により建立されている。

高山村・万葉歌碑 (2)
「安可見夜麻 久左袮可利曽気 安波須賀倍 安良蘇布伊毛之 安夜爾可奈之毛」
(あかみやま くさねかりそけ あわすかへ あらそふいもし あやにかなしも)

現代語で記すと「赤見山 草ね刈りそけ 逢はすがへ 争ふ妹し あやに愛しも」

万葉集「第十四」の東歌のうち、相聞歌に入る。歌に詠まれている「赤見山」は、みなかみ町(旧月夜野町)との境付近の「赤根山」と解釈されている。そのため、高山村を詠んだ歌として選定された。

高山村とみなかみ町を結ぶ県道36号線のトンネルは「赤根トンネル」と言い、旧道は「赤根峠」を越えて行く。

高山村・万葉歌碑 (3)
赤根峠へ向かう旧道に入り、途中で金比羅峠方面に進んだ場所に「萬葉集赤見山旧蹟」と刻まれた碑が建っている(実際の碑文の旧は旧字体)。この碑も「赤見山」の万葉歌が当地のことを詠んでいるとして、赤根山に建てられた碑だと思う。

建立年の確認はできなかったが、碑文や揮毫者の肩書きなどに旧字体が使われていることから、先の碑と同年代の建立かな。