藤岡市白石の藤岡歴史館。

7月13日~9月8日まで、ゼロ戦の設計主任として有名な堀越二郎に関する企画展「堀越二郎の軌跡」が開催されているので再訪した。
(以前の訪問は「藤岡市白石・稲荷山古墳」参照)

藤岡歴史館 (1)
藤岡歴史館は平成16年(2004年)開館で、白石古墳群の中央部にある。もともとは白石古墳群(七輿山古墳、白石稲荷山古墳など)からの出土物を中心に展示している。

今年が日本航空技術100年、藤岡市出身の堀越二郎の生誕110年で、またスタジオ・ジブリ映画「風立ちぬ」で堀越二郎がモデルとして描かれていることから、映画の公開に合わせて企画展の開催となったようだ。

今回の展示は、遺族・親族より寄贈された初公開となる資料を中心に約200点が展示されている。

堀越二郎
堀越二郎は藤岡市の出身で、東京帝大から三菱内燃機製造(現、三菱重工業)に入社。戦前には七試艦上戦闘機、九試単座戦闘機(後の九六式艦上戦闘機)、戦時中は零式艦上戦闘機(ゼロ戦)、雷電、烈風など、後世に語り伝えられる名機の設計を手掛けた。

藤岡歴史館 (2)
「幻の戦闘機」烈風改の設計図。烈風改はゼロ戦の後継機として開発が進められていたが、試作機が完成する前に終戦を迎え「幻の戦闘機」となった。

平成17年(2005年)、堀越二郎の親戚宅(蔵)から約500点もの資料が見つかり、その中に烈風改の設計図があることが判明した。

戦後GHQ(連合国軍総司令部)によって日本の航空機開発は禁じられ、機体や資料も没収された。堀越はいつか再び航空機を造れる日を夢見て、親族の蔵に隠したのではないかと考えられる。

藤岡歴史館 (3)
藤岡歴史館 (4)
藤岡歴史館 (5)
藤岡歴史館 (6)
藤岡歴史館 (7)
藤岡歴史館 (8)
藤岡歴史館 (9)
藤岡歴史館 (10)
その他、独、英、米国に留学した際のパンフレットや手紙、設計の参考にしたとみられる航空雑誌、設計図の一部や計算ノートなどが展示されている。

日頃は来館者などほとんどいない資料館だが、平日にも関わらず約20名もの来館者が来ていた。決して広くない展示室に人がわんさかいて、ちょっと驚き。

しかし常設展示の埴輪や土器などの遺物をついでに見ていく人は、あんまりいなかったなぁ。