高崎市倉賀野町の荒神山の一本杉。

倉賀野・一本杉 (1)
倉賀野町の倉賀野緑地公園脇に杉の木が立っている。この杉は「荒神山の一本杉」と呼ばれ、次のような逸話が残されている。

江戸時代の初めころ、江戸に住む旗本の嫡男が許嫁(いいなずけ)を捨て身分違いの門番の娘と駆け落ちをした。向かったのは元女中が暮らす上野国坂本宿(現在の安中市松井田町坂本)。

武州本庄(埼玉県本庄市)に着いたころ、豪雨続きで川という川は未曾有の増水となっていた。2人は浅瀬を見つけて川越しをしたが、不幸にも足がすべって・・・。

明くる朝、互いに胴を結んだ男女の溺死体が上がった。しかも女性は身ごもっていた。村人は涙を流し、二人のために川岸近くの高台に比翼塚を建立し、二本の杉を植えたとされる。この辺を荒神山というので、人々は「荒神山の二本杉」と呼んだ。

比翼塚とは愛し合って死んだ男女や心中した男女、仲のよかった夫婦を一緒に葬った塚(墓)のこと。めおと塚とも言う。

植えた二本杉は年を経て、すくすくと青天にそびえる大木となったが、ある年雷が落ちて一本が真二つに割れてしまった(後に枯れてしまった)。そのため「一本杉」と呼ばれるようになった。現在の杉は昭和50年代に新たに植えられたもの。

塚の手前に写っている板碑状のものは庚申塔。塚上には石祠がある。

倉賀野・一本杉 (2)
倉賀野・一本杉 (3)
一本杉からほど近いところに馬頭観音石像が祀られている。昭和初期に愛馬(農耕馬)を烏川で失った農家の人たちが建立したようだ。

一本杉と関係があるような場所にあるが無関係。