安中市松井田町松井田の小倉山本照寺。

本照寺 (1)
本照寺は安永2年(1774年)親鸞聖人の開山、僧・釈智流の開基。親鸞は平安末から鎌倉初期の人だが、江戸時代創建の本照寺の開山となっているのは次の理由による。

浄土真宗の開祖である親鸞は越後国に配流となっていたが、建暦元年(1211年)に赦免の沙汰があった。建保2年(1214年)法然を慕い上洛しようとしたが、北陸道は雪が深く信濃より鎌倉を経由し東海道をと考え、碓氷峠を越えて松井田に入った。

ここで京都の禅房でともに学んだ智明坊と偶然会い、師である法然の死を聞かされた。親鸞は泣き崩れ、血の涙を流したと伝えられる。親鸞は京都へ行くことを辞め、常陸国へ向かったという。

後の安永2年(1774年)僧・釈智流がこの地を探しあて一宇を建立。これが現在の本照寺である。親鸞がこの地を訪れてから、約500年後のことである。この経緯から親鸞が開山となっている。

本照寺 (2)
本堂や境内などは近年整備されているようだ。

この地は「親鸞聖人御心替血之辻御坊」と呼ばれる。