高崎市八島町の豊田屋旅館。

豊田屋旅館 (1)
豊田屋旅館 (2)
豊田屋は高崎駅西口の駅前で、現在も営業している旅館。本館は昭和7年(1932年)に建てられたもの。

豊田屋旅館 (3)
本館は入母屋造り瓦葺きの妻入りで、入母屋の破風に懸魚を設けている。屋根の棟に付けた山形の部分を破風といい、破風の下の飾りを懸魚と呼ぶ。玄関の庇は軒唐破風で、そこにも懸魚を設けるといった、特徴ある旅館の造りとなっている。

豊田屋旅館 (4)
明治17年(1884年)の高崎駅開設後、明治の終わりごろに駅前に創業した豊田屋旅館の創業地は、現在地よりも更に駅寄りにあった。平成13年(2001年)に駅前通りの拡張工事に伴い、約1年をかけて曳家にて現在地に移動している。

昭和60年(1985年)に、作家の司馬遼太郎が訪ねて来たという。戦争中に高崎第15連隊との連絡役で、豊田屋に泊まったことがあったらしい。司馬遼太郎が泊まった10番の部屋は、当時も今もそもまま。

昼食のみ利用も可能なので、古き良き時代の旅館の雰囲気で、割烹料理を味わってみたらいかが?