伊勢崎市安堀町のお富士山古墳。
お富士山古墳は全長125mの前方後円墳で、伊勢崎市最大の古墳である。前方部の一部は、明治21年(1888年)の両毛線敷設時、削り取られてしまっている。
昭和38年(1963年)の調査で、墳丘は3段築造され、葺石が巡り、大型円筒埴輪の配列が確認されたている。築造年代は、出土遺物から5世紀中ごろと推定されている。
後円部の墳丘上には富士神社が建っている。
社殿脇に、畿内地方の大王墓と同様の形態をもつ、砂岩製の長持形石棺が保存されている。
石棺は全長285cm、幅121cm、高さ115cm、重さ約6.8トン。底石、側石、小口石からなる箱形と、かまぼこ形の蓋石と合わせて6枚で構成されている。
側石や小口、底石に組み合わせるための溝や段が彫られ、側石や底石の縁辺に棒状の縄かけ突起が造り出され、小口石の外面には小さな方形の突出もみられる。
長持形石棺は、5世紀に畿内の大型前方後円墳にみられ、仁徳天皇陵(大仙古墳)からも出土している。県内では、お富士山古墳と太田市の天神山古墳で確認されているだけである。
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