2020年も残すところわずかとなった。恒例の「上州まったり紀行Award(アワード)」を発表して、1年の締めくくりとしたいと思う。

今年は155ヶ所(件)の記事をアップすることができた。新型コロナの影響で例年より若干少ないが、それでも多くの場所を訪問することができた。特筆すべきは、暫く足を伸ばせていなかった邑楽郡の各町を訪問することができたこと。

と言うことで、まずは番外編から。館林藩主の善政に感謝した領民が藩主を祀ったもの。領民が藩主を祀るのはあまりなく、珍しいと思ったので。

番外編1 久五郎神社(邑楽郡邑楽町赤堀)
館林藩主・松平武寛、斉厚父子の遺徳を偲んだもの。久五郎は武寛、斉厚の幼名。

番外編2 井河大明神(邑楽郡邑楽町狸塚の長良神社境内)
館林藩主・井上河内守正春の善政に感謝し造立したもの。「井上大明神」としなかったのは、新藩主への遠慮から。

では、2020年の個人的偏見のベスト5。

5位 落合観音堂(高崎市保渡田町)
観音堂はどうってことはないが(申し訳ない)、その創建に長野業盛伝説がある。箕輪城落城時、城内・御前曲輪の持仏堂にて自刃したとされる業盛が、城外に落ち延びたという伝説に基づく。

4位 玉取神社(邑楽郡邑楽町秋妻)
平安時代に藤原氏が創建したとされ、その由来は藤原鎌足が房崎の浦で竜宮から玉を取り得て日本の宝としたので、鎌足を玉取大明神として崇敬したという伝説による。

3位 月波神社(高碕市箕郷町善地)
安閑天皇元年(531年)の勧請と伝わり、上野国神名帳記載の「月波明神」に比定される古社であり、榛名神社の遙拝所でもある。社殿の彫刻も素晴らしい。

2位 永光山金剛寺(高崎市福島町)
金剛寺は箕輪城落城の際に焼失したが、箕輪城代となった武田四天王・内藤正豊が再建している歴史に興味を引かれる。境内の「顔切り薬師」は室町初期の造立で伝説もおもしろい。

1位 長柄神社(邑楽郡邑楽町篠塚)
邑楽郡司で長柄郷を開拓した事代主神の子孫・長柄首の創建。上野国神名帳記載の長柄明神(邑楽郡の一宮)とされる。素晴らしい社殿彫刻など、一宮の風格が漂う。

もちろん、これら以外にも印象に残った場所はたくさんあり、新しい発見もあった。ベスト5なんて、あんまり意味ないかもね。また新型コロナ渦中の訪問だったため、いろいろ気をつけることも多かった。それでも各所を訪問できたことは、ありがたいことであった。

今年も「上州まったり紀行」をご覧いただきありがとうございました。2021年も引き続きよろしくお願いいたします。新型コロナの感染が終息し、誰でもどこへでも出かけられるようになることを祈念します。

みなさん、良いお年をお迎えください。