桐生市川内町の瑞雲山東禅寺。

東禅寺 (1)
東禅寺 (2)
東禅寺 (3)
世良田の長楽寺で法を受けた南海宝州が、正中2年(1325年)に開創。建武3年(1336年)には新田義貞が出兵に際し、一族の戦勝を祈念して東禅寺へ毘沙門天像を寄進し、寺領を奉納したという。

その後、戦国時代戦火に焼かれたが、伯慶公和尚が天正元年(1573年)に再興、寛永8年(1631年)現在地に移っている。

東禅寺 (4)
宝永8年(1711年)梵鐘を鋳造し鐘楼を建立したが、梵鐘は第2次大戦時に応召され、現在の梵鐘は昭和48(1973年)年に再鋳奉納されたものである。

東禅寺 (5)
東禅寺 (6)
東禅寺には「建武の碑」という角塔がある。凝灰宕製で高さ87cm、底部は一辺28cm。四面に「南無阿弥陀仏」、左面下部に「建武五年七月三日」と陰刻されている。

義貞戦死は建武5年(1338年)7月2日なので、銘文の日にちは1日違い。そのため、この角塔は義貞の供養塔と思われる。

桐生市川内町は義貞の本拠地・新田荘とはけっこう離れているが、この辺は仁田山紬の発祥の地。義貞の軍旗は仁田山で織られた絹布を使っており、義貞とつながりがある。

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