利根郡みなかみ町(旧新治村)東峰の旧大庄屋役宅書院。

旧大庄屋役宅書院 (2)

旧大庄屋役宅書院 (5)
旧大庄屋役宅書院 (1)
天保13年(1842年)、4代目河合定右衛門が大庄屋の時代に当時の領主・伊丹氏(旗本)が領内巡視の休息所とするため建てたもの。萱葺(現在トタン葺)の寄棟造書院で、式台が付属する玄関が主屋と連結している。

旧大庄屋役宅書院 (4)
書院の内部は8畳敷きの上段の間と10畳敷きの控えの間を中心とし、特に上段の間は床の間、傍床、付け書院、帳台構えを備えた本格的な書院造りである。農家の書院というのは大変珍しく、県指定の重要文化財となっている。

ちなみに、この大庄屋役というのは江戸時代の地方行政を担当した村役人のひとつで、代官または郡奉行の下で数村から数10村を管轄した。

身分としては農民であるが一般農民よりは一段高い階層に属し、その屋敷に門を構えたり主屋に式台を設けることができた。帯刀を許されたり着衣や履物にも特例が許されていた(絹物や雪駄の着用)という。