高崎市上佐野町の佐野の舟橋歌碑。

佐野って地名は、681年に建てられた山ノ上碑にも記されており、万葉集の東歌にも登場する。平安以降の和歌にも多く詠まれ、佐野は古典文学の世界においては、群馬で最も有名な地名であった。

佐野の舟橋歌碑 (1)
佐野の舟橋歌碑 (2)
この地には、舟橋をめぐる悲しい民話が伝わっている。

簡単に書くと、烏川両岸の長者の息子と娘が恋仲になり、夜に舟橋を渡って逢瀬を重ねていた。それを知った親が、ある日二人が会うことが出来ないように舟橋の真中の橋板を外しておいた。それを知らない二人は、川に落ち死んでしまった。

佐野の舟橋歌碑 (3)
この碑は文政10年(1827年)、高崎市あら町の延養寺住職・良翁が二人の供養のために建てたもの。

佐野橋 (1)
佐野橋 (2)
近くには、趣のある佐野橋がある。近年、橋脚は鉄骨製になったが、木造の小さな橋である。

一昔前は、すべて木造で欄干もなかったようだ。なので、台風など大水のたびに、流されていたらしい。

佐野橋と舟橋の民話の関係は知らないけど、多分関係ない?

ちなみに舟橋ってのは、船をたくさん浮かべて、板を渡して橋の代わりにしたもの。船橋って書いてもいいみたいだけど、今回は舟橋で統一した。