邑楽郡邑楽町秋妻の玉取神社。
玉取神社は天長2年(825年)藤原綱義の創建。祖先の藤原鎌足が房崎の浦で竜宮から玉を取り得て日本の宝としたので、鎌足を玉取大明神として崇敬したという伝説によるという。
鎌足が竜宮から玉を得て日本の宝とした? 初めて聞いた。ご祭神の天児屋命は中臣氏(藤原氏)の祖とされ、藤原氏の氏神である春日4神の1神。春日神社にしなかったのは、それなりの理由があるんだろうけど。
鳥居は明治40年(1907年)の建立。
鳥居前にあるのは海軍から下付された「浮標水雷缶」。簡単に言えば機雷。昭和初期に各地の神社や公共地に、廃兵器となった機雷(魚雷含む)や砲弾などが無償で下付されている。戦意高揚の意味もあったのだろう。
社殿前の狛犬は平成12年(2000年)、灯籠は平成17年(2005年)の奉納。
社殿は平成17年(2005年)の新築建立。
覆屋内に境内社が3社祀られているが、中央の稲荷社しか分からない。
社殿右に塚のような小丘に石宮が祀られている。途中の石碑には石尊大権現とあるが、富士塚(浅間神社)ではないかと思う。
鎌足の玉の話が気になったのでいろいろ調べてみたら、秋妻地区に伝わる「玉取姫伝説」というのがあった。
秋妻村に住む美しい玉取姫が竜宮に玉を取りに行った。首尾良く玉を得て帰ろうとした時、龍神に追いかけられ運悪く門の閾(しきい)に躓き倒れてしまった。このとき、持っていた小剣で乳房の下を切り玉を隠して持ち帰った。しかし姫はこの傷が元で亡くなってしまった。村民は深く悲しみ、それ以来門を建てる家はないという。
この伝説が由緒になっているのだろうが、鎌足はどこから出てきたのだろうか? ついでに、似たような話で「海女の玉取り伝説」というのがあった。鎌足の2男・不比等が主人公のようだ。「玉取伝説」は藤原氏に関連があるのかな。興味のある方は下記をどうぞ。
「海女の玉取伝説」(四国新聞:21世紀に残したい香川)
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