みどり市笠懸町阿佐美の岩松山地蔵院延寿寺。

地蔵院 (1)
地蔵院は寛文年間(1661~73年)南光寺4世・良栄上人が同寺境内にあった地蔵堂を移して開山。

南光寺は慶長年間(1596~1615年)に赤石永真が中興しているが、赤石氏は新田岩松氏の家臣であった。地蔵院の山号が「岩松山」なのは、地蔵院の創建にも赤石氏が開基的な役割を果たしているのではないだろうか。

地蔵院 (2)
地蔵院 (3)
境内入口に大きな不動明王像がある。「岩宿不動尊」とある。プレートに新田氏家紋の大中黒・新田一つ引が書かれている。

地蔵院 (4)
地蔵院 (5)
本堂は嘉永6年(1853年)に南光寺16世・螢幢上人が隠居する際に建立。この頃には地蔵院は南光寺住職の隠居寺となっていたようだ。

現在の本堂は平成17年(2005年)の新築建立。屋根の鴟尾が光り輝いている。

地蔵院 (6)
本堂前には宝塔、供養塔や石仏がまとめられている。

地蔵院 (7)
中央の宝塔は延享元年(1744年)の造立。

地蔵院 (8)
歴代住職の墓地。前列中央は開山の良栄上人。

天文年間(1532~55年)に岩松氏は横瀬氏(後の由良氏)の下克上にて没落したが、そのころ赤石氏の先祖・赤石筑後も横瀬氏によって金山城外で切腹させられたと伝わる。以降、赤石氏は当地に土着したと考えられる。