安中市原市の旧碓氷社本社事務所。

碓井社は生糸商萩原音吉、豪農萩原鐐太郎らの発起で、明治11年(1878年)座繰り製糸(ざぐりせいし)の改良を目的に設立された。座繰とは手動(手回し)で繭から糸を引く方法(道具)のこと。

旧碓氷社本社事務所 (2)
旧碓氷社本社事務所 (1)
碓氷社の本社として明治38年(1905年)に建てられた。

旧碓氷社本社事務所 (4)
旧碓氷社本社事務所 (3)
基本的には和風だが、小屋組・軸組に洋風の構造をもち、窓ガラスにはフランス製の板ガラスを使っているらしい。ほとんど改造されておらず、竣工当時の姿を今日まで伝えている。

当時の群馬県の組合製糸業の発展・興隆を示す歴史的遺産として貴重な建物ということで群馬県は重要文化財に指定している。しかし、周りの環境はあまり良くない。現在、すぐ隣は大型のホームセンター。見方によってはホームセンターの広い駐車場の一角にあるように見える(まあ、現実的にそうなんだけど)。

ホームセンターの買いもの客の車が、前をひっきりなしに通っている。誰もこの建物の謂れなんて、知らないんだろうなぁ~。