高崎市下佐野町の漆山古墳。
漆山古墳は全長約70mの前方後円墳であったと推定されるが、現在は前方部が大きく削平され、墳丘は東西38m、南北31m、高さ7.5mほどになっている。6世紀後半の築造と推定される。
埋葬施設は横穴式石室で後円部南側に開口している。凝灰岩を加工して造られており、全長7.8m、玄室長3.7m。内部から刀、鉄鏃の破片、金銅製の馬具などが出土している。
当地には6世紀後半に「佐野屯倉」が設置されており、その管理者が被葬者ではないかと考えられている。山名町の山ノ上碑や金井沢碑に刻まれる「佐野屯倉」「三家子◯」の文字との関連が窺われる。
漆山古墳は佐野古墳群の中心的古墳で、周りが住宅地になるなか地主さんの意向で何とか保存されてきた。平成28年(2016年)に高崎市へ寄贈されている。
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