富岡市富岡の成田山不動堂。

成田山不動堂 (1)
不動堂は当地に古くからあった修験者・多治見福寿坊の内仏堂で、享保元年(1716年)の創建といわれ、福寿坊第23世・多治見賢友が不動尊を勧請したのが始まりという。明治5年(1872年)に福寿坊が廃坊となったため、明治17年(1884年)に成田山新勝寺(千葉県)で不動尊を再開眼、分霊所となった。

成田山不動堂 (2)
成田山不動堂 (3)
現在の不動堂は明治17年(1884年)の建造。土蔵造りで、正面に軒唐破風の向背が設けられている。お堂内外のほとんどの壁に、立体的な漆喰彫刻が施されている。彫刻師は宮峯吉という左官職人と伝わる。

お堂は老朽化が激しく、覆屋で保護している状態。

成田山不動堂 (4)
堂内には本尊の不動明王が鎮座している。よく見えなかったが、内部の彫刻、特に天井の彫刻は大部分が剥落しているという。

成田山不動堂 (5)
成田山不動堂 (6)
正面向背の虹梁には2匹の龍が彫られ、その上には鶴に乗った女神? 仙人? と思われる人物がいる。

多分、お堂の彫刻全体が中国の故事(二十四孝だと思う)にちなんでいるのだろうが、いかんせん知識がなくよく分からない。トンチンカンなことを書いていたらごめんなさい。

成田山不動堂 (7)
成田山不動堂 (8)
両扉は外れてしまっている。左側(写真上)は楊香(虎退治)っぽいが、右側(大蛇退治?)は分からない。

成田山不動堂 (9)
成田山不動堂 (10)
成田山不動堂 (11)
東側の彫刻は人物の頭が取れてしまっている。1枚目は舜、2枚目は董永、3枚目は王祥の逸話だと思う。

成田山不動堂 (12)
成田山不動堂 (13)
成田山不動堂 (14)
西側の方が保存状態が良い。1枚目は郭巨、2枚目は曾参、3枚目は剡子(ぜんし)かな。

漆喰彫刻は昭和4年(1929年)に修理が行われているが、現状は破損・剥落がかなり進んでいる。早めに何か対策や保護をした方がいいと思うぞ。