藤岡市緑埜の美国神社。
美国神社は加賀国(現石川県南部)の白山比咩神社を勧請し、白山神社として創建した。明治43年(1910年)に飯玉神社を合祀したときに美国神社と改称している。武家に深く信仰され、平井城の鬼門除けであったと伝えられている。そのため、創建年は不詳だが室町時代以前より当地の鎮守を兼ねていたと思われる。
参道には多数の道祖神が並んでいる。これは当地の堀口伝兵衛貞明が万延元年(1860年)に発願し、自分の屋敷周辺の路傍に建てたもの。明治に入り道路に建てることが禁止されたため、美国神社などに移している。49基が現存しているが、そのうち45基が美国神社に置かれている。
社殿は天保14年(1843年)の再建。緑埜が生んだ女流画家・斎藤香玉の母・こうが寄進している。平成8年(1996年)に屋根の修復を行っている。
修復前の屋根に乗っていた(と思われる)瓦が置いてあった。飾るわけでもなく、奉納するわけでもなく、ただ置いてある。
拝殿の天井格子絵は斎藤香玉の手によるといわれる。天井絵には「椿山」の名も見える。椿椿山(つばきちんざん)のことで、香玉の師匠。母が寄進した拝殿に、娘が師匠とともに絵を供したことになる。
社殿裏の一段高いところに石祠があった。昭和27年(1952年)の建立。奥の院? ただ、この石祠は社殿と逆を向いている(北向)。あと、ここは古墳かな。社殿も参道から一段高いし。
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