藤岡市藤岡の嶺岳山龍源寺。


龍源寺は天正年間（１５７３～９３年）に芦田（依田）康国の開基、勝巌元雄の開山と伝わる。芦田氏の菩提寺である光徳寺（藤岡市）に残る康国の位牌に「康國院殿嶺岳良雪大居士」（戒名）とあるので、そこから山号をとっているようだ。
（光徳寺は「藤岡市藤岡・龍田山光徳寺」参照）


現在の本堂は文化１２年（１８１５年）の再建。



瓦（鬼瓦）があったが、旧屋根瓦だろうか？ 家紋は松平氏の「三つ葉葵」。康国の父・信蕃の功績により、康国は松平姓を得ている（依田松平氏と称する場合もある）。



五仏堂というのがある。「米山薬師」「平六稲荷」「聖徳太子」「不動明王」「弁財天」を祀っているようだ。こらの繋がりはよく分からない。


堂前の薬師如来坐像。「越後国　米山寺」とあった。調べてみると、米山寺は廃寺になっているようなので、龍源寺に遷された？ ただ、龍源寺と米山寺との関係はまったく分からない（宗派も違うようだし）。


本堂前の巨石。何だろう？

芦田康国は天正１８年（１５９０年）、豊臣秀吉の北条攻めの際、石倉城で討死している。当時の康国の所領は小諸（長野県）であり、藤岡に移るのは弟・康勝である。康国の開基って由緒はどうなんだろう。康国が開基の龍源寺を康勝が小諸から遷した、もしくは康勝が康国の菩提を弔うために創建した、といったところかな。