前橋市江田町の鏡神社。

鏡神社 (1)
鏡神社の創建は不詳だが、大和国の鏡作坐天照御魂神社(かがみつくりにいますあまてらすみたまじんじゃ)から石凝姥命(いしこりどめのみこと)の分霊を勧請したと伝わる。また「上野国神名帳」記載の「鏡明神」は鏡神社のことだとされる。

石凝姥命を勧請したのは上野国国府(総社神社周辺と推定されている)に大和国から呼び寄せられた鏡作りの技術者だと考えられている。石凝姥命は日本神話に登場する神で、天照大神の岩戸隠れの際に八咫鏡を作ったことで知られる。

鏡神社 (2)
鏡神社 (3)
向かって右側(東?)からの入口に建つ鳥居。

鏡神社 (4)
鏡神社 (5)
鏡神社 (6)
上野国神名帳に記載されている古社だが、その後朽ち果てるほどに廃れていたが、慶長年間(1596~1615年)に富澤氏・小野里氏の手で再建されている。富澤氏・小野里氏についてはよく分からないが、現在も江田町には富澤(富沢)さん・小野里さんが多数お住まいである。

鏡神社 (7)
余り広くない境内に多数の境内社・末社が並んでいる。

鏡神社 (8)
道を挟んでの境外にも末社が鎮座している。

鏡神社 (9)
旧鳥居の扁額だと思うが、現在は拝殿に掲額されている。この扁額かは分からないが、安永年間(1772~81年)に岩松義寄が揮毫した扁額を鳥居に掲げたところ、神社前を乗馬で通行する人が必ず落馬したため、扁額を撤去したら事故は起こらなくなったという。この扁額は宝物とし現存している。

義寄の頃から岩松家では「ネズミ除け」「キツネ憑封じ」などの呪術まがいのことを行っており、そいうことから馬が怯えたのかな。