伊勢崎市境島村の田島弥平旧宅。
平成25年(2013年)「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成遺産のひとつとして世界遺産に登録された。

田島弥平旧宅は文久3年(1863年)に建てられ、1階を住居、2階を蚕室としている。瓦葺きの屋根に「総櫓(やぐら)」と呼ばれる換気のための窓を設けている。これにより、熱がこもるため養蚕農家には向かないとされてきた瓦葺きの住居を可能とした。
弥平旧宅の面積は約4000平方mで、主屋の他に一部の建造物が現存している。(見学は敷地内のみ可能)


東南を向く表門と、それに隣接する桑場。桑場は明治27年(1894年)の建築。

香月楼跡と別荘。香月楼は安政3年(1856年)に建築された2階建て総櫓の蚕室。弥平はこの蚕室で清涼育の実験をしたとされる。香月楼は昭和33年(1958年)に他所へ移築され、基礎の石組だけが残されている(写真ではよく分からない)。
別荘(写真)は2階建て1つ櫓。納屋の一部を切り取り、香月楼に移築・接続。晩年の弥平の隠居所だったといわれる。

新蚕室跡。明治5年(1872年)から8年にかけて建てられた2階建ての蚕室。主屋の2階と渡り投下でつながっていた。昭和27年(1952年)に解体された。現在は基壇の石組だけが残る。

井戸は主屋が建築された文久3年には、既に存在していた。上屋は大正3年(1914年)の建築。

東門。実際は北東向き。隣の小屋は蚕具置き場。

庭に建つ貞明皇后行啓紀念碑。大正天皇皇后・貞明皇后が田島家を行啓されたことを記念し、昭和23年(1948年)に建碑。田島弥平が宮中養蚕の世話方として奉仕したため。(本家・田島武平も世話方を務めている)


敷地内にある鳥居まである屋敷神様。さすがに立派だ。
弥平は養蚕技術の改良を重ね「清涼育」の普及に努め、全国から多くの養蚕伝習生が訪れ研修を受け、その技術を全国に広めていった。
田島弥平に関しては「田島弥平顕彰碑」の方に書いたのでご参照ください。
これで「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成遺産4つを訪問することができた。富岡製糸場と高山社跡は世界遺産登録前に訪問していたけど。
「日本で最初の 富岡製糸」
「藤岡市高山・高山社跡」
「世界遺産・荒船風穴」
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