太田市東今泉町の巌穴山(いわあなやま)古墳。

巌穴山古墳 (1)
巌穴山古墳は、一辺36.5m(現存30m)、高さ約6mの方墳。墳丘4辺の方位が、それぞれ東西南北とほぼ一致している。また、幅8mの周堀が確認されている。築造は7世紀前半と推定され、太田市では唯一の方墳である。

巌穴山古墳 (2)
巌穴山古墳 (3)
巌穴山古墳 (4)
南側に横穴式石室が開口している。石室は玄室と羨道の間に前室を持つ複式構造で、凝灰岩や自然石を使用している。石室の全長は約13m、玄室の高さは約2.7m。

玄室内からは人骨片や土師器片、金環、刀装具、鉄釘が、羨道部から須恵器などが出土している。葺石、埴輪は見つかっていない。

なお、石室内からは「寛永通宝」も見つかっており、江戸時代には人の出入りが行われていたようだ。当然、盗掘されているということ。もしかして、寛永通宝は石室内から持ち出した宝物の「代金」として置いていったのか、などと想像してみた(笑)。