桐生市黒保根町水沼の赤城山常鑑寺。

常鑑寺 (1)
常鑑寺 (2)
常鑑寺の創建は応永現年(1394年)頃と伝わる。その後、元亀2年(1571年)萩原与惣左衛門の開基、春翁慶陽が開山となり常鑑寺と称している。

常鑑寺 (3)
常鑑寺 (4)
急峻な石段を登ると荘厳な本堂が現れる。本堂は安永元年(1772年)の再建。6代目星野半兵衛(七郎右衛門朋明)が再建に大きく貢献したため、常鑑寺では6代目半兵衛を中興開基として、本堂奥に位牌を安置している。

星野半兵衛は、群馬県初の日本人の手による民間洋式器械製糸所(水沼製糸場)を開設した星野長太郎の祖先にあたる。

常鑑寺 (5)
梵鐘は高さ85.5cm、口径61.2cmとちょっと小ぶり。寛延元年(1748年)に下野国佐野の鋳物師・丸山善太郎によって鋳造されたもの。縦帯の撞座の上方には、聖観音の座像が蓮台付きで半浮彫りに鋳出されるなど、美術的にも価値の高い梵鐘。

戦時中も当時の文部省がその美術的価値を認め、供出を免れている。そのため、平和の鐘と呼ばれるようになった。