藤岡市保美の地蔵菩薩石像。


地蔵菩薩石像の由緒は不明だが、隣に建っている石塔に天保(1830~44年)の銘が見えたので、同時代あたりか?


この地蔵菩薩石像は、地元では「子育て地蔵尊」と慕われており、毎年1回のお祭り(3月)には多くの方が参拝に訪れる。特に子供が生まれた、孫が生まれたなど、報告がてらお参りにくるようだ。
写真では見えないが、地蔵尊の前掛けや帽子は地元の方の手作りで、奉納者のお名前があった。聞いたところでは、曾孫さんが生まれたお祝いだという。
地蔵菩薩は「最も弱い立場の人々を最優先で救済する菩薩」であることから、日本における民間信仰では「子供の守り神」とされる。

地蔵尊の隣には庚申塔、二十二夜塔などが建っている。最初に書いた天保の銘がある石塔は、真ん中の二十二夜塔。二十二夜塔には如意輪観音が刻まれている。
二十二夜塔は、二十二日の夜に人々が集まり勤業や飲食を共にし、月の出を待つ行事を行った講で、その供養のために造立するた塔のこと。月を拝みながら経を唱え、悪霊を追い払うという行事。一般的には二十三夜講が多いが、埼玉県北西部から群馬県にかけては二十二夜講が多い。
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