甘楽郡甘楽町天引の笠塔婆と板碑。

甘楽町・笠塔婆 (1)
笠塔婆とは上部に笠石を載せた卒塔婆で、板碑と同じ意味を持つ供養塔であると考えられる。県内でも20基程が確認されているが、同所にまとまってあるのは珍しい。

甘楽町・笠塔婆 (2)
笠塔婆と板碑は4基とも地元で産する天引砂岩で造られ、笠塔婆は東向き、板碑は南向きに建立されている。高さはみな110cm前後で、すべてに正安4年(1302年)の銘がある。

笠塔婆・板碑の塔身正面には、阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩の阿弥陀三尊種子を表す梵字が薬研彫りで刻まれている。また、向かって左から2番目と3番目の笠塔婆には、塔身左右側面に五輪塔発心門を表す梵字も刻まれており、阿弥陀三尊種子と発心門を示す梵字が刻まれている笠塔婆は、県内ではこの2基のみである。

平成6年(1994年)に笠塔婆の崩落を防ぐために保存修理が行われ、覆屋も構築されている。