邑楽郡邑楽町鶉の東光山恩林寺。

恩林寺 (1)
鎌倉幕府が新田義貞らに滅ぼされた時、14代執権・北条高時の弟・四郎慧性の夢枕に立った江ノ島弁財天から、「上毛の郷に霊地あり、その地で北条家の再興を図るべし」と告げられ、弟の荒間五郎友春ら主従5名で辿りついたこの地に、江ノ島弁財天を勧請した。

上記は邑楽町鶉新田の浮島弁財天の由緒である。
(「邑楽町鶉新田・浮島弁財天」参照)

恩林寺も同様に、彼らが文和2年(1353年)に鎌倉建長寺44世・東林友丘を開山として創建し、北条一門の菩提を弔い再起の祈願所としたという。四郎慧性は北条泰家のことと考えられる。

恩林寺 (2)
恩林寺 (3)
本堂は平成7年(1995年)の新築。本堂に安置されている薬師瑠璃光如来は、60年に一度ご開帳される秘仏。普段は奥の金色のお堂に安置されている。

恩林寺 (4)
邑楽町の天然記念物に指定されているケヤキ(写真右)と銀杏(同左)。

ちなみに、恩林寺がある地区は鶉というが、これは足利尊氏が雉狩りに来た際、鶉を捕獲し金の鳥かごに入れて持ち帰った、という言い伝えからその名がつけられたという。