伊勢崎市柴町の八幡神社。

柴町八幡神社 (1)
柴町八幡神社は、慶長18年(1613年)に那波城主・酒井忠世が建立したと伝えらる。

天明3年(1783年)の浅間山噴火による泥流被害や利根川の洪水被害により、天保6(1835年)に現在地へ遷座されている。

柴町八幡神社 (2)
柴町八幡神社 (3)
柴町八幡神社 (4)
社殿は拝殿、幣殿、本殿からなる権現造の建築形式。拝殿は、正面三間、側面二間の入母屋造の建物で、鈴木不求・春山・松山の三代にわたる伊勢崎藩絵師が天井画を描いている。

本殿は正面九尺の一間社流造で、享保10年(1725年)の建築であることが軒札から分かっている。しかし虹梁の絵や蟇股の細部意匠は更に古い様式を示しており、拝殿の延宝7年(1679年)の扁額の時期の建築とも考えられる。

本殿内に鎮座する内宮は切妻造柿葺きで、享保10年の本殿修復時の制作と考えられる。

柴町八幡神社は18世紀初期の伊勢崎地方の近世神社建築の優れた指標を示し、社地は参道を含め旧日光例幣使街道柴宿の歴史的景観の名残りをとどめている。