太田市押切町の中島知久平邸。


中島飛行機の創業者・中島知久平が両親のための建てた近代和風建築。写真は表門と門衛所。主屋は昭和５年（１９３０年）、門衛所は昭和６年（１９３１年）の上棟。



正面玄関の車寄せ。床には御影石が敷かれている。中央に照明を１基吊り、四周に家紋の彫物を施した蟇股を配している。

玄関を入るとシャンデリアが掛かった２２．５畳の玄関広間が広がる。（写真は撮り忘れた）




玄関右手に２間続きの応接室がある。応接間には大理石の暖炉が置かれ、窓やドアにはステンドグラスで装飾されている。知久平邸で洋風になっているのは応接間のみである。

実は現在公開されているのはここまで。耐震強度の問題で、他の部屋、建屋は非公開。太田市では耐震補強を行ったうえで公開予定という。

主屋は、玄関棟、客室棟、居間棟、食堂棟など複数棟からなり、回廊式の構造をとり、中庭を囲んだ「ロ」の字型となっている。主屋南側の前庭から、客室棟と居間棟の一部は見学することができる。


客間棟の次の間は、折上天井でシャンデリアが吊るされている。地袋と軍配片の窓を備えた書院と押入れがあり、押入れの襖絵には波、雲に千鳥が描かれている。


客間（奥はさきほどの次の間）。２基のシャンデリアが吊るされており、棚・床・付書院が見える。現在敷かれている絨毯は、玄関広間に敷かれていたもの。


居間棟の両親居間。年代もののソファーが置かれていた。当時のものかな。



広大な前庭から見た玄関棟（応接間側）と客室棟。下の写真は客室棟を正面から。ちなみに庭は約３０００平方ｍ。


建設当時の知久平邸（昭和７年：１９３２年撮影、太田市のＨＰから）。写真右側が玄関で、左上が前庭と客室棟。その下が居間棟。（赤字の説明はオレの追記）

中島知久平邸は敷地面積１万平方ｍを超える大きなもので、当時の知久平の経済力が窺われる。知久平は大正６年（１９１７年）に中島飛行機の前身会社を設立し、家を建てた昭和５年（１９３０年）には衆議院議員に当選している。

この当時はもう飛行機王と呼ばれていたんだと思うが、建築費は当時の金額で約１００万円。現在の金額に換算するといくら位になるのだろう？？