前橋市茂木町の有鷲山長興寺。

長興寺 (1)
長興寺は慶長年間(1596~1615年)、大胡城主・牧野康成の家臣・稲垣重宗の開基と伝わる。稲垣重宗は初代伊勢崎藩主・長茂の父である。

墓地にある「史跡墓碑概説」には、稲垣重宗夫妻は当寺創立後伊勢崎藩主となった長茂の両親なり、とあるので、長興寺の創建は慶長6年(1601年)以前になる。(稲垣長茂が両親の菩提を弔うため創建した、という説もある)

長興寺 (2)
長興寺 (3)
長興寺 (4)
山門は嘉永6年(1853年)に稲垣家の寄進により建てられたもの。

長興寺 (7)
稲垣重宗夫妻の墓。重宗のことは調べたけどよく分からなかった。

稲垣氏は室町時代後期となる文明年間(1469~86年)に、伊勢国から三河国宝飯郡に渡来し土豪となったとされる。このときに国人領主・牧野氏に臣属している。永禄年間(1558 ~70年)に徳川氏(松平氏)の傘下に入っている。

長茂は、家康の関東入府で牧野氏が大胡城主になった際、牧野氏を離れて直参(3000石)になっという記録もあり。父・重宗の動向は不明。牧野氏に従い大胡に入った後、ほどなく亡くなったのかもしれない。

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