伊勢崎市宮子町の紅厳寺跡。
ここには群馬県指定の重文「宮子の笠塔婆」がある。

紅厳寺跡 (1)
紅厳寺はすでになく、薬師堂と墓地が残っているだけである。写真は薬師堂。

宮子の笠塔婆 (1)
宮子の笠塔婆 (2)
墓地内にある角閃石安山岩の転石を加工した「宮子の笠塔婆」。総高は116cmで、基礎の上に長さ80cm、幅26cmの塔身を据え、その上に小突起をもつ一辺37cmの笠を乗せている。

塔身には種子が刻まれ、蓮弁の台座を備えた阿弥陀如来、その下に同様に観音・勢至菩薩の両脇侍が種子で彫られ、阿弥陀三尊を現している。裏には造立趣旨があり、文永5年(1268年)に7人の子が父親の菩提を弔うために造立した供養塔であることが分かる。

鎌倉時代の石塔だけに、かなり風化が進んでいる。なんとかこれ以上風化が進まないようにして欲しいけどね。