伊勢崎市境平塚の福智山天人寺。

天人寺 (1)
天人寺 (2)
天人寺 (3)
天人寺には帝国陸軍・福島泰蔵大尉が眠っている。福島大尉は明治35年(1902年)の青森県八甲田山における山岳遭難事故(八甲田雪中行軍遭難事件)のとき、ひとりの犠牲者も出さなかった弘前歩兵第31連隊の中隊長である。

八甲田雪中行軍遭難事件は、青森歩兵第5連隊210名中199名が死亡するという痛ましい事件。

天人寺 (4)
福島大尉(1866~1905年)は平塚の船問屋に生まれ、20歳のとき陸軍教導団に入隊し、その後明治31年(1898年)大尉に任官している。

福島大尉率いる弘前歩兵第31連隊38人は、弘前を出発し吹雪と極寒の八甲田連峰を死者もなく11日間で踏破している(1人は足を痛め途中帰還)。

福島大尉は、きこり、マタギ、農民から冬山では汗をかかないように工夫することや、足の指を油紙で巻き、唐辛子をまぶし、靴下を3枚履くことなどを情報収集していた。また、過去2年間にわたり、岩木山雪中行軍などを実施しており、露営を含め雪中行軍を熟知していたことなどが、遭難を免れた理由である。

その後、明治36年(1903年)歩兵第32連隊第10中隊長に転任し、日露戦争に従軍。明治38年(1905年)黒溝台会戦において戦死。享年38歳。遺言により、故郷平塚の利根川河畔に墓が建てられた。

八甲田雪中行軍遭難事件は、新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」や映画「八甲田山」で有名である。映画の中で、高倉健が演じた「徳島大尉」が福島大尉である。