邑楽郡邑楽町狸塚の長良神社。

狸塚長良神社 (1)
狸塚長良神社 (2)

狸塚長良神社 (3)
狸塚長良神社は文明2年(1470年)に当地の鎮守様として瀬戸井長良神社(千代田町)から分霊を勧請し創建。

石造鳥居は大正6年(1917年)の建立。

狸塚長良神社 (4)
狸塚長良神社 (5)
狸塚長良神社 (6)
社殿は昭和44年(1969年)の建立。

境内の社殿新築記念碑には「今や全国的に敬神の念薄らぎ、村の鎮守様も忘れられる世相となり、当社も老朽荒廃し施す術もない有様となった」と当時の状況が書かれている。現在の各地世相も余り変わらないような・・・。

狸塚長良神社 (7)
狸塚長良神社 (8)
社殿の左が少し高くなっており、そこに境内社が並んでいる。

狸塚長良神社 (9)
その中に「井河大明神」の石碑がある。これは当地の人々が館林藩主・井上河内守正春の善政に感謝し造立したもの。

天保7年(1836年)に館林藩主となった正春がお忍びで城下を見廻ったところ、老夫婦を先頭に女たちが荒れ地を切り開いている光景に出くわした。正春が名主に「なぜ男たちはいないのか」と尋ねると、「この村には荒れ地が多く、しかも凶作続きで男たちは出稼ぎに出ている」とのことだった。これを聞いた正春は弘化2年(1845年)に浜松に転封となるまで狸塚村の年貢を減免した。

その恩返しとして住民が祀ったのが「井河大明神」の石碑。本来なら「井上大明神」とするところだが、新しい藩主への遠慮から「井河」とした(井上の井と河内守の河)。