2019年、令和元年も残すところわずかとなった。恒例の「上州まったり紀行Award(アワード)」を発表して、1年の締めくくりとしたいと思う。

今年は169ヶ所(件)の記事をアップすることができた。総数では1700ヶ所(件)を超えた。ただ、今年も利根・沼田、館林・邑楽方面には足を伸ばせなかった。何とか来年はとは考えている。でも、やっぱり近場が増えるね。

と言うことで、個人的偏見で2019年のベスト5を発表する・・・前に、番外編から。興味を引かれた(と言うか面白い)「伝説」からみのもの。

番外編1 乃久里神社(多野郡上野村)
日本武尊の妃・弟橘姫の遺髪を祀っている。地元で疫病が流行した際、神の怒りと感じた住民がご神体(遺髪)の穢れを浄めるために川に流したという。これが神流川の名前の由来にもなっている。

番外編2 義輝山光源院(藤岡市篠塚)
室町幕府13代将軍・足利義輝の孫とされる木喰覚海上人が開山した。さらにはその場所が、新田義貞四天王のひとり・篠塚伊賀守重廣の館跡だという。

番外編3 養命寺(藤岡市上日野)
同所の小柏氏の開基だが、小柏氏は平清盛の嫡孫・維盛の子という維基の末裔とされる。維盛は平家が没落する原因となった富士川の合戦と倶利伽羅峠の合戦の総大将。後に一ノ谷の合戦前後に逃亡。その後の消息には諸説あるが不明。

では、2019年のベスト5。

5位 福聚山応永寺(吾妻郡東吾妻町)
岩櫃城主・斎藤氏により建立された応永寺。立派な山門に素晴らしい天井絵が施されている。また、境内の五葉松も素晴らしい。

4位 総社歴史資料館(前橋市総社町)
「放光寺」の文字瓦や軒丸瓦などの実物が見られる。放光寺は世界遺産「上野三碑」のひとつである山ノ上碑の碑文に登場する。しかしその所在に諸説あったが、この発見により「放光寺=山王廃寺」とほぼ確定した。

3位 御倉御子神社(藤岡市浄法寺)
安閑天皇の御代に設置された屯倉の守護のためという創建逸話もさることながら、その参道が大変だった。急な石段が途中で終わり、その先は岩場が剥き出し。「ここより石段がありません。あなたの好きな道を撰び登坂してください」との案内板。

2位 柳原馬頭観音堂(高崎市大類町)
観音堂の彫刻が本当に素晴らしい。龍の巻き付いた海老虹梁は躍動感あふれる傑作。源義家(八幡太郎)の創建、新田義重の社殿造営という歴史(史実かは?)も面白い。

1位 成田山不動堂(富岡市富岡)
お堂の側面のみならず正面扉などにも施された漆喰彫刻。あまり漆喰彫刻を見る機会は少ないので、非常に貴重な物だと思う。ただ一部剥落が進んでいるので、早急な対策・保護をお願いしたいとも感じた。

もちろん、これら以外にも印象に残った場所はたくさんあり、新しい発見もあった。また、秋ころからは図書館に行き、種々の地方誌の閲覧を始めた。先人が記録に残してくれたからこそ、いまこうやって訪問できることのありがたさも実感。


今年も「上州まったり紀行」をご覧いただきありがとうございました。2020年も引き続きよろしくお願いいたします。

みなさん、良いお年をお迎えください。