渋川市有馬の若伊香保神社。

若伊香保神社 (1)
若伊香保神社 (2)
若伊香保神社の創建は不詳だが、「日本三代実録」に記される「若伊賀保神」が若伊香保神社のことだと境内の由緒碑にはあった。貞観5年(863年)にその名が出てくるので、それ以前の創建となる。ちなみに、群馬郡誌には貞元2年(977年)の創建とある。

また、社名から伊香保神社との関連が想定され、伊香保神社が三宮神社(現、伊香保神社の里宮)に遷座した際、旧地に祀られたのが若伊香保神社であるという説もある(このへんのことは「渠口神社」の記事でも書いた)。

一ノ鳥居の扁額は「若伊香保神社」(写真では分かりづらいが)。鳥居手前の社号標も「若伊香保神社」。

若伊香保神社 (3)
若伊香保神社 (4)
若伊香保神社 (5)
石段を登ると二ノ鳥居。扁額は「正一位 若加保大明神」とある。若伊香保ではないし、若伊賀保でもない。

若伊香保神社 (6)
二ノ鳥居から、さらに石段を登ると社殿がある。

若伊香保神社 (7)
若伊香保神社 (8)
若伊香保神社 (9)
社殿は安政4年(1857年)に全焼し、明治43年(1910年)に諏訪社を合祀した際に再建。しかし、昭和22年(1947年)の台風により倒壊、翌23年に現在地に移築・再建されている。

拝殿の扁額は「若加保神社」で二ノ鳥居と同じ。「伊香保神社」が上野国神名帳では「伊加保大明神」と表記されていることを考えると、若加保の表記は伊香保神社の旧地という説も満更ではないかもと思わせる。

若伊香保神社 (10)
境内の子種安産の大石。

若伊香保神社 (11)
社殿奥の石柱にも「若加保大明神」とあった。狐像が置かれており、稲荷さま扱い?

ところで、由緒碑には若伊香保神社は上野国五之宮だと書いてあった。一般的には伊勢崎市の大国神社が五之宮とされている。調べてみると、「上野国神名帳」も「総社本」「一宮本」「群書類従所収本」があり、多少内容が違っていた。確かに「若伊香保神社(若伊賀保大明神)」が五之宮になっているものもある。

平安末の「上野国交替実録帳」には、玉殿1宇・幣殿1宇・鳥居2基・向屋1宇・鳥居2基・向屋1宇・美豆垣1廻・荒垣1廻・舞人陪従屋1宇・厨屋1宇との記述があり、五之宮であっても不思議ではない規模を窺わせる。