富岡市黒川の不動堂。

黒川不動堂 (1)
黒川不動堂 (2)
不動堂は明治初年に当地へ移転されたという。

黒川不動堂 (3)
堂内には運慶作と伝わる不動明王像と円空作の十一面千手観音像があったが、不動明王像は昭和40年(1965年)ころ盗難に遭い現存していない。十一面千手観音像は重文に指定されたことや盗難防止の観点から、石段脇の収蔵庫内に安置されている。

不動堂と言うくらいだから、元々不動明王像が安置されていたんだと思う。運慶の方が円空より年代的にも古いし。

黒川不動堂 (4)
黒川不動堂 (5)
黒川不動堂 (6)
円空作の十一面千手観音立像。
観音像は全体に黒く煤けているように見える。口元がうっすら朱色に塗られているが、後付けのような気がする。腕は差し込み式のようだが、全部は残っていない。また、一部位置が違うのでは? と感じてしまった(素人意見です)。

円空は延宝9年(1681年)上野国にて布教や彫像をしており、貫前神社に滞留していた。その際にこの像を作ったとされる。当初は貫前神社に併設されていた寺院の観音堂に収められていたが、明治初年の神仏分離令での仏像廃棄を逃れるため、この黒川不動堂へ移されたといわれる。実際に相当数の貫前神社所蔵の仏像が燃やされている。

黒川不動堂 (7)
収蔵庫には寄贈された不動明王像も安置されている。

ちなみに盗難に遭った運慶作の不動明王像も、運慶が貫前神社に滞在していたときの作品だという。事実なら国宝ものだけど・・・。