前橋市稲荷新田町の薬師堂。

稲荷新田の薬師様 (1)
稲荷新田の薬師様 (2)
平成4年(1992年)建立の薬師堂内には、多数の石仏が安置されている。千数百体あると言うが、数えたわけではないの分からないが、もうちょっと少ないような気がする。

稲荷新田の薬師様 (3)
この「薬師さま」に願をかけると万病に効くと言われ、周辺地域からも参拝する人が多い。願をかけるときは手を水で濡らし、具合の悪い石仏の部分をなでることから、俗に「濡れ薬師」とも呼ばれる。

伝説では、ある武士が石仏を背負ってここまで来たが、重くなったのでここに留まりたいのだと思い、当地に安置したといわれる。

ただ、石仏は「薬師さま」と呼ばれているが、印相や像容から阿弥陀如来と考えられている。風化と信仰(なでる)による摩耗が激しく判然としないが、特徴から南北朝期のものと推定される。

多数の石仏があるのは、「薬師さま」に願をかけた人々が石工に頼んで造り、奉納したものといわれる。