富岡市下丹生の丹生神社。

丹生神社 (1)
丹生神社の創建は不明だが、「日本三代実録」(901年)、「上野国神名帳」(1298年)などに名前が見られる。

また、保元2年(1157年)に当地へ移住してきた丹生四郎金乗が5つの神社を創建(勧請)し、そのうちの1社が丹生神社との説もある(他の4社は霜降大明神、丹来宇大明神、松尾大明神、足日大明神)。ただ金乗の創建した丹生神社のご祭神は罔象女命とされるが、現在の丹生神社のご祭神は丹生都比賣尊である。

丹生神社 (2)
丹生神社 (3)
丹生神社 (4)
社殿は慶応3年(1867年)に火災で焼失し、後の再建。

丹生神社 (5)
神楽殿。毎年3月27日には、丹生神社多々神楽保存会の皆さんによる神楽の奉納が行われる。

丹生神社 (6)
境内の万葉歌碑。昭和11年(1936年)の建立。万葉集に東歌として載っている(巻14-3560)。「真金吹く 丹生のまほその 色に出て 言はなくのみそ 吾が恋ふらくは」。歌自体の意味は「私が恋しているということは、鉄を製錬する丹生の赤土のように顔色に出して言わないだけです」。

万葉集の成立年は諸説あるが、延暦2年(783年)頃(奈良時代末)といわれており、この時代に丹生という地名が存在していたことになる。「真金吹く」とは鉄を精錬するという意味(この歌は近江国で歌われたという説もある)。