館林市本町2丁目の竜の井。

竜の井 (1)
竜の井 (2)
かつてこの地にあった善導寺の本堂前にあった井戸。善導寺は天正18年(1590年)榊原康政によってこの地に移された。時は流れ、昭和61年(1986年)館林駅前再開発事業のため、現在地の楠町に再移転している。

竜の井 (3)
井戸の両脇には、当時からのもの思われるイチョウの木が2本あり、昔を偲ばせる。とは言っても、井戸そのものは昭和61年の再開発時に併せて整備されたものらしく、歴史の風情を感じることはできない。

なぜ竜の井と言うかというと、天正18年にこの地へ善導寺が移転して来たおり、寺で行われた説教に城沼に棲む竜神の妻が美しい女性に姿を変え真剣に聞いていたといわれ、その後竜神の妻は迷いから救われたお礼として、この井戸に入りお寺を守ったという伝説があるから。

この井戸と青龍神社の「青龍の井戸」は城沼と繋がっているという伝説もある。

城沼の竜神と言えば、天正18年(1590年)の北条攻めの際、館林城を攻めた石田三成と大谷吉継は、城沼に橋を架け城にを攻撃する作戦をたてたが、橋が完成した翌日にその橋が忽然と消えてしまったという。これは城沼の竜神の仕業との噂が立ったという伝承もある。